くじら山

売上

  • 2010年12月31日現在

    2010年累計 202乗務 5,605,765平均27,751)
    1乗務MAX 59,540(7月23日)
    メーターMAX 29,510(7月23日)

    12月 19乗務596,690(平均31,405)
    11月 19乗務606,805(平均31,937)
    10月 20乗務574,160(平均28,708)
    9月 17乗務 412,250(平均24,250)
    8月 16乗務 439,350(平均27,459)
    7月 8乗務 249,920(平均31,240)
    6月 10乗務 256,990(平均25,699)
    5月 19乗務 472,320(平均24,859)
    4月 22乗務 626,680(平均28,485)
    3月 22乗務 616,620(平均28,028)
    2月 11乗務 296,010(平均26,920)
    1月 19乗務 457,970(平均24,104)

    09年累計 229乗務 6,264,320(平均27,355)
    1乗務MAX 60,160(12月18日) 
    メーターMAX  28,790(10月17日)

    08年累計 226乗務 6,274,580(平均27,763)
    1乗務MAX 60,490(7月28日)
    メーターMAX 25,750(4月5日)

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タクシー童話 Feed

2010年8月20日 (金)

夏休み特別企画 タクシー童話シリーズ

10円タクシー

 今日はおばあちゃんと買い物へ出かける日。

 おばあちゃんが出かけるときは、いつもタクシーで出かける。だから、おばあちゃんと出かけるとタクシーに乗れるんだ。ぼくはワクワクしていた。またあの「十円タクシー」に乗れる。 

 去年の冬のことだった。初めておばあちゃんとあの「十円タクシー」に乗った日のこと。

「今日は呼んでいただいてありがとうございます!ほのぼのタクシーです。どちらへ行かれますか?」

 若い運転手さんだった。ぼくのお父さんと同じくらいかな。タクシーの運転手さんっておじいちゃんばかりだと思っていたのに。

「今日は若い運転手さんやねえ」

 おばあちゃんが嬉しそうに言うと、運転手のおじさんも嬉しそうに笑ってた。ぼくも嬉しそうな運転手さんを見て、嬉しくなった。それで運転手さんを後からずっと見ていて、気づいたんだ。

 タクシーのハンドルに十円玉がくっついてる。

 タクシーのハンドルの、運転手さんの右手の近くに十円玉がくっつけてある。運転手さんがカーブでハンドルを回すと、十円玉もいっしょにくるくるまわる。僕はそれを見ていて目が回りそうになった。

 だから聞いちゃったんだ。

「運転手さん、どうしてそこに十円玉がついてるの?」

「あら、ほんまや。十円玉がついてる。おもしろいねぇ。」

 おばあちゃんは気づいてなかったみたい。

「ははは、ぼく、よく気がついたなぁ。これはおじさんがここにくっつけたんだ」

「どうして?」

 ぼくは気になったので聞いてみた。運転手さんは少し困ったような顔をしたけど、そのあとニコっとして、話してくれた。

「これはね、お客さんの忘れ物やねん」

「わすれもの?」

「そう、もうずっと前のことだけど・・・

 あるおじいさんがタクシーを呼んでくれてね、その家まで行ったんだ。おじいさんの家についてチャイムを押すと、

『ちょっと待っててくれるか』

 って言われて、すこし待ってたんやけど、そのときムセンで次の仕事が入ってしまってね。おじさんたちはこの「ムセンキ」から仕事の場所や時間の指示があるんだ。いそがしいときは次から次に仕事が入るんだよ。

 しばらく待って、おじいさんが家から出てきたんだ。行き先は近くの病院までで、おじさんは次の仕事があったからいそいでその病院まで飛ばしてしまったんだ。いそいで走ったからごっつゆれただろうし、おじいさん怖かったと思うよ。

『どうも、660円です』

 病院についたら、いそいでお金をもらおうと思ったけど、おじいさんはカバンからゆっくり財布を出してお金をごそごそ探してる。

(早く出してくれへんかな…)

 なかなか出てこない。やっと出てきたと思ってお金をもらった後も、おじいさんやから車を降りるときにまたごっつ時間がかかってね、今思えば車を降りて手助けしてあげなあかんかったんやろうけど・・・ゆっくり降りるのをただ見てるだけだった。

 そしてすぐ次の仕事へ行こうと思って、後の席を見ると、この十円玉が落ちてたんだ。

 見ると、おじいさんはまだすぐそこを病院の入り口に向かってゆっくり歩いていたけど、いそいでいたし、

(十円くらい、ええか)

 と思って、そのまま走り出してしまったんだ。

 でもあとになって気になってね、また病院に戻っておじいさんを探したけど、見つからへんで…」                                

「へー!それがその十円なんだ」

 ぼくはその十円玉にそんな話がくっついていたことに少しおどろいた。

「そう。ぼくはどう思う?十円くらいもらっちゃってもいいかな?」

 信号で止まったとき、運転手さんは後ろを向いて、ぼくに聞いてきた。

「えっ…ぼくは…十円でもおじいさんのものだし、返さないといけないと思う」

「そうやんな」

 運転手さんは嬉しそうに言った。

「そのとき思ったんだ。いそいでいても一人一人のお客さんに、心から『ありがとう!』っていう気持ちを持って仕事せなあかんな、って。それでな、ここにこの十円玉をつけてるんだ。いそいでいるときに思い出すように、十円玉の神様が見てる、って」

「十円玉の神様…」

 

 その日からおばあちゃんはいつもその「十円タクシー」を呼ぶようになったんだ。今日もタクシーの中で、十円玉がくるくる回ってる。

 十円玉の神様が笑ってるよ。

※作品は関西の、ある偽善ドライバーによって数年前に書かれたものです。72.5%程度が実話です。

新ブログ11年4月~

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